オーバーレブ!回顧録
「オーバーレブ!」は、連載開始当初 かなり混迷しておりました。
編集部は「オーバーレブ!」に期待してくれていて担当編集さん以外にもブレインを数人つけてくれてました。
しかし…船頭、多くしても前に進まずとは、よく言ったもので打ち合わせをしていても意見がまとまることはなく。
迷走状態が続きます。
連載開始から1年、単行本の4巻くらいまで人気も低迷し、打ち切りも目前で 自分自身、「オーバーレブ!」を描くことよりも打ち合わせ自体に嫌気をさしはじめた時。
担当編集さんが交代したのです。
新しく担当になった編集さんは言いました。
「オーバーレブ!」は人気の出る要素をたくさん持っていると思います。今は、少しまとまりがありませんので一度 仕切り直しましょう。
ボクを信じてもらえますか?言うことを聞いてもらえたら「オーバーレブ!」を人気投票で1位にしてみせます。
なんとも心強い。頼もしいお言葉でした。
そして、自分と新担当さんの意見が合ったのは、ブレインの方々を一旦、カヤの外に置くこと。マンガは、担当編集さんと二人で作りましょうということになったのです。
そして、新担当さん曰く「オーバーレブ!」はキャラクターが多過ぎてごちゃごちゃしてるので、これも一旦、カヤの外に起きましょう。これから「オーバーレブ!」に登場するのは涼子たち四人だけ。…と言っても四人じゃあムリなんでライバルをぶちこみましょう…それも四人。
キャラクターを減らせと言いながらライバル四人増やせと矛盾してるかも知れないけど、マンガの定石。ジャンプ方式で4対4のチーム戦をやるんです。
これで1位を取りに行きますよ。…そう言ってくれました。
リプリーの誕生です。
「オーバーレブ!」は、リプリーの登場とチーム戦に入って人気投票の順位を上げていきました。新担当さんの言う通りになったのです。
「オーバーレブ!」が認知され人気が出たのは5巻から…新担当さんになってからなのです。
新担当さんは「オーバーレブ!」の人気を上げてくれたにも関わらず10カ月で「オーバーレブ!」から離れることになりました。異動になったのです。
去り際に「人気が出たのは山口さんの実力。最初にボクが言った大きな風呂敷は、はっきり言って勝算も何もない中で言った出任せだよ。1位を取るって言って1位を取れたら誰も苦労しないから!」「でももう、大丈夫ですよ。頑張ってください。今度は外からオーバーレブ!を読ませてもらいますね。」とカレは去って行きました。
彼のおかげで「オーバーレブ!」は編集部の期待にようやく応えることができ皆様も承知のように長きに渡る連載となりました。「オーバーレブ!」を終わらせたいと最初に相談をしたのも彼でした。
その、担当さんと再びタッグを組んで作ったのが「My Favorite Bike 」です。
人気になった「オーバーレブ!」の次の担当さんが前に書いたトラブルのカレだったのでしたf(^^;
山あり谷あり…さすが峠を舞台にしているマンガってことです(笑)
さて、近況報告です。「オーバーレブ!」の救世主となった彼に「オーバーライド!」の企画書を渡しました。
現在、一般の雑誌ではモーターものは超マイナー化しているために手を出せない状況であるということ。しかしながら熱心なモーターファンがたくさんいるのも事実であるが、マンガという媒体に商業としては、戻りが薄いために難しいかもしれない…とのご意見でした。
だけれども、現在やっているTwitterなどSNSで読者を巻き込んでネットの中で面白いことをやっているという感じで広く世間に認知されるとイケるかもしれない…ということでWEBのカーマガジンなどで発信したら良いのではないか…とそのような意見をいただきました。
皆様、「オーバーライド!」にお力をお貸しくださいませ。
よろしくお願いいたします
山口かつみ