オーバーレブ!回顧録
楽しみにしてくださっているみたいで大変、嬉しく思います。ありがとうございます
今日は、キャラクターの元になったモデルについて…です。
「オーバーレブ!」の初代担当編集さんは雑誌ヤングサンデーのグラビアの担当でもありました。
「オーバーレブ!」が女の子を主人公に走り屋のマンガだということで主人公の
名前を女優の広末涼子さんから名付けられました。
薄々、気づいてらっしゃる方もいたんじゃないでしょうかf(^^;
担当さんがとてもファンだから涼子にしてくれ…とお願いされ、自分はいいですよと即答。
実はキャラクターに名前をつけるのが大変、苦手なんです。名前なんて呼びやすければ何でもかまわないと…それまでのマンガも適当に名づけることが多かったのです。
なので、提案をこころよく快諾。逆に助かる(^^;
だけど、名前をつけるのは、適当ですがキャラクターの設定は、かなり細かくやる方です。
名前が涼子に決まり、なぜクルマの世界に飛び込んだかは、広末涼子さんが芸能界に入る前に陸上部で高跳びの選手だったということでそのまま設定で使いましょうということで、そしてアキレス腱のエピソードに繋がります。
キャラクターが作られる前にMR2 は、決まってました。涼子のほうが後です。
涼子がクルマの初心者なので、もう一人。涼子が憧れる年上の女性で天才的なドライバーを作ろう。涼子は当面、バトルはできっこないのでそれを補うキャラクターが必要だったのです。
それがサワコです。サワコの名前も担当さんの親族にブッとんだ人がいて、フルネームその人の名前を使わせてもらうことにしました。そして、クルマはお金が掛かるので、ある程度、お金に融通のきくキャラクターでなければということで水商売に設定されました。夜のお仕事ならば源氏名を名乗っているだろう。ちょうどいい…シルビアって名前はアリだよねってことで愛車はシルビアに決まりです。
カーアドバイザーさんが公道でのバトルは、よろしくないとの意見を持った方で、マンガと言えど危険行為は読者をあおるから描かないほうがいい…と常に言ってましたがマンガなのでそういう訳にもいきません。
だったらということでアイカは、そのカーアドバイザーさんが発する言葉を言わせるキャラクターとして誕生しました。後の話しですがアイカ登場シーンでトラックをドリフトさせた場面についてカーアドバイザーさんは悔やんでおりました。
アイカは、あんなことをするキャラじゃない…とw
アイカの名前も、担当さんからのリクエストでした。
「オーバーレブ!」を描く前の連載マンガが「エロ純万遊記」というセクシービデオの男優のマンガで その時に取材させて頂いたセクシー女優さんの名前があいかだったのです。
涼子がTOYOTA、サワコがNISSANとくればアイカはHONDAでしょう…ということでシビックに決定。HONDA好きの人は熱心な人が多いのでアイカもそれにならってHONDA命って設定しました。アイカの苗字は、バイクの片山敬済さんからつけられました。HONDAファンならわかってくれると思い・・・。
最後にもう一人。
外車に乗った女の子を出そう。外車なら何がいいか?
カーアドバイザーさんがプジョーにしましょう…と
じゃあプジョーに乗る女の子ってどんな女の子?見当もつかないので帰国子女にしちゃえ!プジョーと一緒にフランスからやってきた女の子。お嬢様でピントがズレてる。ヨーロッパなら芸術も嗜んでるだろう。じゃあピアノ…そんな感じです。でも走ると速い…みたいなイメージです。
女の子のキャラクターが四人で、マンガを引っ張っていくストーリー。
イメージしたのは「エースをねらえ!」でした。
同じ初心者が主役で、憧れる目標になる先輩がいて、鬼コーチは、MR2 。
作るべきマンガの目標は「エースをねらえ!」だな…
そんな感じでした。
「オーバーレブ!」のあちこちに「エースをねらえ!」のオマージュ(パクり?)が散りばめられていますよ。
ちなみに…
名前をつけるのが苦手な自分は、近い人の名前をまんまキャラクターにつけちゃってます。
赤岡社長は、当時の編集長。
立川さんは副編集長。
ノーマルの狼、三上も副編集。
涼子の舎弟の小関、担当編集
涼子の陸上部顧問の先生の福田、担当編集
ジェリーズ青ネズミ副島と黄金のブタの戸叶、友達のプロ野球選手。
六甲のタケルや八十、犬鳴峠の桑原なんてのは当時のアシスタント。
そんな具合で、キャラクターを作る時は、ある程度モデルがいたほうが作りやすいのです。細かく設定して作り上げるより、モデルに決めた人を観察して性格を把握すればいいのだから。
キャラクター誕生秘話でした。
山口かつみ